あちらこちらで「IPv6」という言葉が使われるケースが少しずつ増えてきました。
実際のインターネット接続の上でも、従来のIPv4接続からIPv6接続に切り替える所が徐々に増えてきています。
日本では2016年には既にインターネットへの全接続数のうち約14%がIPv6化されているとのことです。
さて、ではこのIPv6って一体なんでしょう?
今回はこのIPv6について色々とまとめてみます。
なぜIPv6?
IPv6は「インターネット プロトコル バージョン 6」の略です。
従来使われてきたIPv4はバージョン4。これの上位規格と言うことになります。
なぜIPv6と言うものが話題に上るようになって一般のニュースなどでもIPv6への移行といったお話がテーマになるようになったかというと、インターネットに接続する機器が近年加速度的に増えてIPv4で扱える数の上限を超えそうになっているからです。
インターネットに接続する機材にはそれぞれを識別するためのIDにあたる、「IPアドレス」が割り振られます。
IPアドレスは「インターネットの住所」といった表現をされることもありますが、単純にIPアドレスの数字だけならどちらかと言えばID番号の方が近いかなと思います。
IPアドレスと1対1で対応するホスト名になるとちょっぴり住所っぽくなります。
ある会社のとあるコンピュータのホスト名は「hogehoge.kaisha1.co.jp」みたいな感じで。
さて、IPv4では取り扱えるIPアドレスの数の上限が2の32乗個≒約43億個までです。
スマートフォンが爆発的に普及したりパソコンや各種サーバーの数が非常に増えたため、IPv4で扱える端末の数を超えてしまいそうな状況になっているのです。
また、最近これまたニュースで聞く機会の増えた「IoT」、モノのインターネットと呼ばれる発想がIPアドレスの枯渇を加速させています。
まずはこのIPアドレスの枯渇問題をなんとかするためにIPv6の導入が急がれています。
IPv6では天文学的、と言えるぐらいに大量のIPアドレスを扱うことが出来ます。
日本語にはその数を表す単位があるにはありますが多分ほとんどの人が聞いたことのない単語です。
IPv6で割り振ることが出来るIPアドレスの数は2の128乗個≒約340澗個(3.4 x 10の38乗)もの数です。
仮にIPv6のIPアドレスを世界の全員に均等に割り振ったとすると、それぞれ4.86 x 10の28乗個ずつIPアドレスを使えるのだそうです。
その他にもIPv6にはIPv4からさまざまな諸元の拡張などが盛り込まれていますが、IPv6でのIPアドレスも含め、普通のユーザーがそれを意識しないといけないケースはまずないと思います。
なぜ今IPv6が話題になるのか、と言えば、IPアドレスの枯渇が問題になっているから、というのを覚えておけば大丈夫でしょう。
IPv6を使うメリット
今はIPv4からIPv6に少しずつ移行が進む時期で、IPv6でなければ利用出来ないサービスといったものはほとんどありません。
そちらの方面からIPv6に移行するメリットはないと言っていいと思います。
逆にプロバイダーの対応が間に合っていなくてIPv6接続を使えない、といったことの方がぶつかる機会が多いのではないかと思います。
また、サービスによってはIPv4からv6への移行期間ならではのさまざまな条件によって、IPv6利用が一部制限されるケースもあるようです。
そんな中でIPv6をわざわざ使うメリットは、今時点ではほとんどの場合IPv6接続化するとインターネットの通信速度が大幅にアップすることが挙げられます。
夜間など自宅からインターネットを利用するユーザーが増える時間帯には、光回線でも通信速度が数十Mbpsとか数Mbps程度まで落ちてしまうことがあります。
ですが今ならIPv6通信では、1日中どんな時間帯でも数百Mbps以上の通信速度が安定して出る可能性が高くなっています。
Webサイトの閲覧などには完全にオーバースペックな速度ですが、パソコンソフトのダウンロード販売やネット経由のレンタルビデオ利用などといった、大きなデータを取ってくる必要があるサービスではとても使用感が良くなる可能性があります。
ちなみに著者宅のデスクトップパソコンに2018年春のWindows 10の大規模アップデートを入れたときには、マイクロソフトから更新プログラムを取ってくるのがわずか5分ほどで終わりました。瞬間最大640Mbpsの実通信速度が出て驚いたのを覚えています。
フレッツ光NEXTは最初からIPv6
実はフレッツ光NEXT以降のフレッツ光サービスは全部IPv6の仕組みで作られています。
ですのでフレッツ光を使いつつIPv4通信を行なっている場合には、内部で変換操作が行なわれたのちインターネットと接続されています。
その部分でわずかにオーバーヘッドがあって通信速度などが遅くなっている可能性もあります。
フレッツ光に対応しているプロバイダーはどんどんIPv6通信に対応してきていますから、使っているインターネットのサービスで問題がなさそうならIPv6通信に乗り換える検討をする価値があると思います。